先日,新司法試験の合格発表があり,2000名以上の合格者が出ました。私は日弁連のひまわり,法テラスの担当者として,ジュリナビや司法研修所で説明会を行いましたが,司法研修所は大講堂だけでは入りきらず,中講堂や教室にも中継していました。教室も増設されており,(刑務所ではないですが)過剰収容といった印象でした。
関弁連(関東弁護士会連合会)の調査では4割が「過疎地で働くことに関心がある」ということでしたが,説明会では,例年に比べておとなしい印象を受けました。ロースクールで横並び意識が強いせいかもしれません。しかし,一部には「ぜひ法テラスに赴任したい」「松本三加さんにあこがれて,この世界に入った」という熱心な方もおり,期待が持てそうです。
さて,第二東京弁護士会の裁判員裁判推進センターでは,法廷弁護技術に関する英語文献の読書会をやっています。以前は NITA(National Institute for Trial Advocacy) の『MODERN TRIAL ADVOCACY 3rd ed.』を読んでいましたが,最近は「定番」の Tomas A. Mauet の『TRIAL TECHNIQUES 7th ed.』を読んでいます(文献標記が日本流なのは,ご容赦ください)。陪審裁判を前提とするアメリカの法廷弁護技術がそのまま日本で通用するわけではないにせよ,長年の経験と研究に裏打ちされた記述には説得力があります。
昨日,Mauet の Chapter VII CROSS EXAMINATION を読んでいると,次のような表現が出てきました。原文そのままです(p.254)。
"If you have been successful in obtaining significant admissions, you may well decide to omit any discrediting cross at all. Remember that trials make it difficult to have your cake and cat it too."
反対尋問の目的には,「証人から有利な情報を引き出すことと,証人の証言を弾劾することの2つがあり,通常は,前者を先に試みるべきである。そして,後者は必ずしも試みる必要がない(有利な情報を引き出すだけで,終わってもよい)」という趣旨の文章なのですが,最後の「cake and cat it too」で,参加者一同???となってしまいました。
そのうち,これが「have your cake and eat it too」の誤植で,「ケーキを取っておくことと,食べることは同時にはできないのよ」の意味であると分かったのですが,どうして「ケーキとネコ」なんだろう,と混乱してしまいました。英語ではよく使われるイディオムのようですが,ちょっと不親切ですね(みなさんは,すぐ気づきましたか?)。7訂版まで改訂されているですから,きちんと校正をやってもらいたいものですね。