カテゴリー「法テラス」の83件の記事

「弁護士ゼロ地域」解消記念シンポジウム

 明日,弁護士会館で,「弁護士ゼロ地域」解消記念シンポジウムが開催されます。

 私も,シンポジウムのコーディネーターとして参加予定です。これまでの弁護士過疎対策(公設事務所,法テラス)の歩みを振り返り,これからの弁護士過疎対策,司法アクセス改善のための方策について意見を交換するシンポジウムにしたいと思っています。

 お時間のある方は,ぜひご参加ください。

日時 2008年7月13日(日)13:30~16:30
場所 弁護士会館2階 講堂クレオ(会場地図)
    千代田区霞が関1-1-3
    地下鉄 霞ヶ関駅(B1-b出口)から徒歩1分
参加費 無料
内容 13:30~14:30 過疎地からの報告
   ・松本 三加 氏(弁護士 紋別ひまわり基金法律事務所初代所長)    
   ・曽我 紀厚 氏(弁護士 元鳥取ひまわり基金法律事務所所長)
   ・太田 晃弘 氏(弁護士 法テラス可児法律事務所所長)

   14:30~16:30 パネルディスカッション
   パネリスト
   ・熊坂 義裕 氏(宮古市長)
   ・菅原 郁夫 氏(名古屋大学大学院法学研究科教授)
   ・篁慶 一 氏(NHK青森放送局むつ報道室記者)
   ・太田 治夫 氏(弁護士 日弁連公設事務所・法律相談センター前副委員長)
   ・松本 三加 氏(弁護士)
   コーディネータ
   ・田岡直博(弁護士 元宮古ひまわり基金法律事務所所長) 
 
主催 日本弁護士連合会
問合せ先 日本弁護士連合会 業務部業務第二課
     (TEL:03-3580-9333)

http://www.nichibenren.or.jp/ja/event/080713.html

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ニュース 民事執行事件の本庁集約

 東北の地裁が、不動産競売など「民事執行手続き」業務の取り扱いを支部から本庁に集約させている。裁判所は「専門的で迅速な事務処理が可能になる」とサービス向上を強調するが、司法過疎対策に取り組む弁護士会からは「過疎地域の切り捨てにつながる」との声も出ている。

 河北新報は,東北地方の地方裁判所で,民事執行事件の本庁集約が進んでいることを報じています。執行事件の本庁集約が報道されるのはおそらく初めてで,非常に価値がある記事だと思います。

 民事執行事件の本庁集約は,約2年前から全国各地の地方裁判所で問題提起され,弁護士会に意見照会がなされていますが,対応は弁護士会によってさまざまであり,本庁集約が進んでいる裁判所とそうでない裁判所があります。また,民事執行事件以外にも刑事合議事件や破産事件などを本庁に集約している裁判所もあり,「地方裁判所支部の機能縮小」が大きな問題となっています。昨年の第2回全国支部問題シンポジウムでは,この点がテーマの一つになりました。

 最高裁判所の説明によると,「執行事件は当事者の出頭が必ずしも必要的ではなく,不動産競売の売却率を向上させるために,本庁に集約させている支部もある」ということです。最高裁判所は,不動産競売の売却立を向上させるために,BITシステム(物件明細書等インターネット提供システム,Broadcast Information of Tri-set System)を導入しています。これは,インターネットを利用して,いわゆる3点セット等の情報を提供するものです。最高裁判所によると,BITシステムを利用することにより売却率が向上するし,地方裁判所支部にも3点セットの写しを備え付けているので,不都合は生じない,ということです。

 たしかに,インターネットを利用して売却率を高める工夫は必要なことであり,そのための業務の合理化・効率化にはやむを得ない面があることは否定しません。しかし,このシステムは買受人の利便性を高めるためのものであり,申立人や債務者,所有者にとっては必ずしも利便性が高まることにはなりません。支部管内に居住する債権者が競売を申し立てようとするときや,債務者,所有者が競売に対して不服申立を行うときには,地方裁判所の本庁に行かなければならない,という負担が増えることになります(もちろん,高く売却できれば,債務者にとっても利益になる場合があることは否定しません)。

 また,不動産執行以外にも,債権執行や動産執行まで集約されてしまうと,たとえば,婚姻費用や養育費の差押えを申し立てる場合にまで,地方裁判所本庁に行かなければなりません。もちろん,郵便で申し立てることは可能ですが,それができるのは企業や,弁護士が代理人に選任されている場合だけでしょう。ほとんどの市民は窓口で説明を受けなければ申立て自体ができないように思います。たとえば,住民票や戸籍謄本も郵便で取り寄せることはできますが,ほとんどの人は市役所の窓口で取り寄せているのではないでしょうか。

 このように考えると,民事執行事件の本庁集約の背景には,利用者の利便性を高め,売却率を向上させようという合理化・効率化の発想があり,そこで想定されている利用者とは主として企業である,ということが言えるように思います。たしかに,不動産を買い受けようとする企業や,債権を回収するために競売を申し立てる企業にとっては,利便性が高まることは間違いないでしょう。しかし,養育費を支払ってもらえないために元夫の給与の差押えを申し立てる女性や,認知症のため悪質商法の被害に遭い,支払督促が確定してしまい自宅の競売を申し立てられてしまった高齢者にとっては,負担が増大することもまた間違いないのです。

 更に言えば,BITシステムで売却率が向上するのは,地方都市の不動産の中でも流通性の高い不動産であり,多くは商店街やバイパス沿いの空き店舗,住宅地の一戸建てではないでしょうか。そうした物件を都市部のリフォーム会社等が落札して,リフォーム後にパチンコ屋等に転売しているのです。そのため,商店街の中にパチンコ屋がどんどん進出して,商店街の雰囲気が変わってしまった,という声も聞かれています。 他方で,農地など流通性が低く,市場価値の低い物件は,BITシステムを利用しても売却率が向上するとは思えません。こうした物件は,支部で競売を実施し,地元の農家に落札してもらう方が売却率の向上が望めるのではないでしょうか(もちろん,そのためには裁判所をもっと市民に身近で,利用しやすいものに変えていく工夫があわせて必要になるでしょう)。

 つまり,ここでは,BITシステムの導入によって,資産(不動産)の流動性が向上することにより,資産の外部への流出と,それによる農村部の荒廃が問題になっているのではないでしょうか(同じように,農村部では人材の外部への流出もまた大きな問題となっています)。そうであるならば,行き着くところは自由主義経済そのもの(また,それが不可避的にもたらす弊害)の当否であり,不動産の譲渡・貸借や建造物の建築についての公的な規制をどこまで緩和するか(農地法や建築基準法,都市計画法はその規制の一つです),という問題もあわせて考えておく必要がありそうです。

河北新報の記事
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/06/20080606t73025.htm

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ニュース 外国人・難民のための無料法律相談

 日本に滞在する外国人の増加に伴い、法的トラブルに備えた支援態勢が必要として、有志の弁護士らが6月1日、難民を含め外国人を対象に無料の電話法律相談会を開く。在留資格や雇用など幅広い問題を対象に、10数人の弁護士が待機する。

 対応言語は英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語、中国語、韓国語、タガログ(フィリピン)語、タイ語、ロシア語、インドネシア語、ビルマ語の12カ国語の予定。東京外国語大学多言語・多文化教育研究センターなどの研究者らが通訳として協力する。

 主催の弁護士らは来年を目標に、外国人のトラブル対応を専門とする相談機関「リーガルセンター」の設置を検討しているという。

 6月1日,東京都内で,外国人・難民のための電話無料法律相談会があり,私も参加して来ました。4時間で80件,30か国(国籍)の方から相談がありました。国籍は,フィリピン,中国,韓国,アメリカ,ペルー,ブラジル,スリランカが多かったのですが,めずらしい国では,コンゴ,アンゴラ,コソボ等もありました。また,居住地は,東京,茨城(牛久に入管があるため),埼玉,神奈川等が多かったのですが,遠方では,ニューヨークや韓国からの国際電話もあったようです。この様子は,NHKの「おはよう日本」で7月6日日午前7時45分~8時の間に放映される予定だそうです。また,詳細は更新する予定です。

東京新聞の記事
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008053101000593.html

毎日新聞の記事
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080531dde041040072000c.html

岩手日報の記事
http://www.iwate-np.co.jp/newspack/cgi-bin/newspack_s.cgi?s_national_l+CN2008053101000593_2

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ニュース 弁護士ゼロ地域が解消

 全国で唯一、弁護士がいなかった大津地裁長浜支部(滋賀県)管内に2日、弁護士事務所が開業することになり、“弁護士ゼロ”地域が解消される。とはいえ、過疎地域で活動する弁護士を中心に、「弁護士不足」を指摘する声は根強い。また、裁判官不在の地裁支部も少なくないため、「裁判所側の態勢も貧弱。弁護士が増えるだけでは司法過疎は解消しない」と抜本的な問題解決を求める声も上がっている。

 本日,滋賀県長浜市(大津地裁長浜支部)に薮下さんが登録し,弁護士ゼロ地域が完全に解消されました。産経新聞が昨日付けで記事を配信しているほか,本日付けで日弁連が会長談話を発表しています。いずれも,裁判官・検察官の増員,裁判所・検察庁支部の機能強化等の司法基盤の整備の推進が必要不可欠であるという内容で,正鵠を得た指摘であると思います。

 明日には,より多くのマスコミで報道されることでしょうから,それを見て更にコメントを付けたいと思います。

産経新聞の記事
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080601/trl0806012106001-n1.htm

日弁連 「弁護士ゼロ地域」の解消に関する会長談話
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/080602.html

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ブログ 夢を追い続ける車椅子の弁護士吉峯康博

 先日(2008年5月10日)、日弁連において「採用情報説明会~弁護士のあり方を地域から考える~」が行われました。 
 この中で、パネルディスカッションが行われ、大変素晴らしい内容でした。

 吉峯先生のブログに5月10日のシンポジウム「地方から弁護士のあり方を考える」の記事が掲載されています。吉峯先生のブログはいつも充実していて,読む方も元気になりますね。

ブログ を追い続ける車椅子の弁護士吉峯康博
http://yoshimine.dreama.jp/

記事 『市民の駆け込み寺』は足りるのでしょうか?
http://yoshimine.dreama.jp/blog/158.html

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ニュース 被疑者国選の対応態勢

 全国の約2万5000人の弁護士のうち、53.7%に当たる1万3450人が、刑事事件の国選弁護を引き受ける契約を結んでいることが17日、日本司法支援センター(法テラス)の集計などで分かった。最高の宮崎(94.7%)など9割以上が4県、最低は東京の39.1%だったが、弁護士数が似通った県同士でも契約率にばらつきが見られた。

 被疑者国選の対象事件の拡大が来年に迫っています。現在は,被疑者国選の対象は原則として法定合議事件に限定されていますが(約7000件),来年には,これが必要的弁護事件(約10万件)に拡大されます。もちろん,刑事事件自体が減少傾向にありますし,被疑者国選弁護は請求選任ですから,全件に対応が必要であるとは限らないのですが,それでも,現在の10倍以上に増加することは間違いなく,とくに弁護士の不足している地方では,その対応態勢の確立が正念場を迎えています。

 日弁連は被疑者国選対応態勢本部を設置して,対応態勢の確立に取り組んでいますが,この間の取り組みによって,一般国選弁護人契約の契約率は上昇傾向にあり,2006年10月の法テラスの業務開始当時は約8000人程度であったのが,現在では1万3000人に達しており,1.5倍以上に増加しています。しかし,時事通信の記事にあるように,契約率は地域によってばらつきがあり,宮崎は94.7%と高いのですが,東京は39.1%にとどまっており,一部の地域では,対応が極めて困難であるという意見もあります。

 被疑者国選を受任する弁護士が不足しているのですから,この問題を解決するためには,(1)「一般契約弁護士(ジュディケア弁護士)」を増やすか,(2)「スタッフ弁護士」を増やすか,のどちらかしかなく,前者はさらに,(a)弁護士の「人数」を増やすか,(b)弁護士の「契約率」を高めるか,のどちらかしかない,ということになります。

 まず,(a)弁護士の「人数」を増やすためには,都市型公設事務所やひまわり基金法律事務所の開設,定着支援の利用という方法があり,これを検討している単位弁護士会もあります(たとえば,兵庫県弁護士会や千葉県弁護士会)。また,(b)「契約率」を高めるためには,契約しない理由が問題であり,思想信条を理由とする契約拒否はあきらめるほかないでしょう。しかし,負担加重や報酬低額を理由とする場合には,せめて実費だけでも支払われるよう,国選弁護報酬の増額を求めていくことが考えられます。

 しかし,契約しても受任しない弁護士や,受任しても十分な弁護活動をしない弁護士もいるでしょうから,実質的な対応態勢をどのように確立するか,という契約率から把握できない問題は残ります。これについては,刑事弁護ガイドラインで議論された,刑事弁護の質を評価することが許されるか,刑事弁護の独立性に反するのではないか,という問題をどう考えるかでしょう。個人的には,社会的に耳目を集めている評価の微妙な事案はともかく,明らかな「手抜き弁護」を排除するのに,そのような大げさな議論をする必要はない,と思います。

 (2)スタッフ弁護士については,地域事務所を設置して配置することになりますが,中期計画で4号対応地域事務所の設置地域が実質的ゼロワン地域に限定されていることかネックになります。私は,総合法律支援法30条1項4号の文言からは,実質的ゼロワン地域に限定する必要はなく,実質的な必要性を判断して配置すればよい,と考えていますが(「司法過疎対策業務の課題」ジュリスト1305号),スタッフ弁護士が有償業務を行うことに,地元弁護士や弁護士会から反対の意見もあるようです。

 しかし,これは,業務の補完性(同法32条3項)の問題ですが,大規模・中規模支部はともかく,小規模支部では,有償業務のニーズにも対応する必要があるはずであり,それを扶助・国選しかやらせないというのは,一般の開業弁護士のエゴではないでしょうか。スタッフ弁護士も,一般の開業弁護士と同じように扶助・国選を担当し,有償業務も担当する,というスキームにすべきであり,そうでなければ,誰もスタッフ弁護士に応募しなくなるでしょう。「被疑者国選は負担が大きいから,スタッフ弁護士にやらせればよい」という発想が出てくること自体が,同じ弁護士として信じがたいことです。

時事通信の記事
http://news.fresheye.com/article/fenwnews2/1100001/20080517144300_ji_tsX312/a/index.html

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ニュース 自殺防止と弁護士過疎問題

 07年度の県民生活センターと各地方振興局の消費生活相談室に寄せられた多重債務の相談件数が、4年ぶりに増加したことが同センターのまとめで分かった。県は今年度から全国的にも多い年間300回を超える弁護士無料相談会を開催。その背景には弁護士過疎地域の県北や沿岸で、借金苦などを理由に自殺する人が多い実態があり、同センターでは「まず相談を」と呼びかけている。

 「弁護士過疎と自殺率には相関関係があるのではないか」という指摘が以前からあります。自殺率が高い秋田,岩手,青森はいずれも弁護士が少なく,岩手県の中でも沿岸(釜石,大船渡,宮古)と県北(二戸,久慈)は,弁護士過疎地域だからです(ただし,県民性や高齢化も関係していることは間違いありません)。自殺の原因・動機のうち,経済生活問題が相当数を占めることを考えると,両者の間には相関関係があると考えるべきでしょう(現場の弁護士の多くが,そのような実感を持っていると思います)。

 私は,以前,「弁護士過疎が解消されると,自殺率が低下するのではないか」という仮説を立てて,それを実証しようと試みたことがあります。しかし,自殺率の統計は数年前のものしかなく,ここ数年で急速に進展した弁護士過疎対策との相関関係を分析するには,データが足りませんでした。しかし,あと数年もすれば,その相関関係を分析することが可能になるはずであると確信しています。

 これまでは,自殺防止の取り組みと,多重債務問題や弁護士過疎問題の取り組みが十分に連携できていませんでした。しかし,今後は,弁護士が地方自治体や保健師,医師と連携して,自殺防止の取り組みに積極的に参加することが必要でしょう。地域住民の「生活」と「生命」を守るために,行政と民間あるいは医療・福祉と司法の壁を越えて,専門家と自治体の連携が求められているように思います。

毎日新聞の記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080517-00000057-mailo-l03

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ニュース 「弁護士ゼロ地域」解消へ

 裁判所があるのに弁護士が一人もいない「弁護士ゼロ地域」が解消されることになった。福岡地裁柳川支部管内で今月1日、弁護士が事務所を開き、最後に残った大津地裁長浜支部管内でも6月に弁護士が開業する。開業資金の貸し付けなどの施策を講じてきた日本弁護士連合会は今後も地方の弁護士育成を進め、都市部に偏在する状況の緩和を目指す。

 本年6月2日に「弁護士ゼロ地域」が解消される予定です。「弁護士ゼロワン地域」とは,地方裁判所支部単位で弁護士が0又は1人の地域のことをいいます(なお,韓国では「無弁村」という言葉を使っているそうです)。

 「弁護士ゼロワン地域」という言葉がはじめて公式に使われたのは,1993(平成5)年に開催された日弁連の第8回業務改革シンポジウム(香川県高松市)です。そこで発表された「弁護士ゼロワンマップ」は,全国の地裁支部の37%に相当する74支部は「弁護士ゼロワン地域」であると指摘し,マスコミで「法の隙間」として報道されるなど,大きな反響を呼びました(なお,全国の地方裁判所支部は203か所あります)。

 日弁連は,1996(平成8)年の定期総会において,「弁護士過疎地域における法律相談体制の確立に関する宣言」(「名古屋宣言」と呼ばれています)を採択し,「弁護士過疎・偏在問題の解決のために全力をあげて取組むことを決意するとともに,当面の措置として5年以内に,いわゆる0~1地域を中心として緊急に対策を講ずべき弁護士過疎地域に法律相談センターを設置するなど,市民が容易に弁護士に相談し,依頼することができる体制を確立するよう最善を尽くす」と宣言しました(なお,1996(平成8)年4月の弁護士ゼロ地域は47か所,ワン地域は31か所でした)。

 日弁連は,弁護士過疎地域を解消するための活動資金として,1999(平成11)年に東京弁護士会から寄付を受けて「ひまわり基金」を設置し,同年の定期総会において日弁連の全会員から毎月1000円の特別会費の徴収を採択しました(その後,特別会費の徴収額は,1500円,1400円に増額,減額されました)。2000年の定期総会において「司法サービスの全国地域への展開に関する決議」を採択し,それに基づき,2001年に「司法サービスの全国展開に関する行動計画」を策定しました。そして,ゼロワン地域を中心とする弁護士過疎地域に法律相談センター,公設事務所の設置を進めてきました。

 また,2006(平成18)年には日本司法支援センター(法テラス)が業務を開始し,司法過疎対応地域事務所(法30条1項4号所定の業務を行うので,「4号業務対応地域事務所」と呼ばれています)を開設し,常勤スタッフ弁護士を配置するようになりました。日弁連は,そこでも,常勤スタッフ弁護士を確保,養成及び支援する重要な役割を担って来ました。

 更に,2007(平成19)年には「弁護士偏在解消のための経済的支援」のパイロット事業が承認され,2008年(平成20)年1月から正式に,弁護士偏在地域に独立開業する弁護士(偏在対応弁護士)の支援及び偏在対応弁護士を養成する弁護士に対する支援を開始しています。

 こうした日弁連の弁護士過疎対策により,弁護士過疎対策は大きく進展しました。現在,法律相談センターは全国に308か所(そのうち,ひまわり基金の援助を受けているセンターは138か所),弁護士常駐型公設事務所は延べ86か所(そのうち,定着した弁護士常駐型公設事務所は15か所),ひまわり基金の定着支援は17件(そのうち,弁護士法人の定着支援は2件)法テラスの司法過疎対応地域事務所は15か所,拠点事務所は1か所,独立開業支援を利用して定着した弁護士は5名にのぼります。

 それにともない,「弁護士ゼロワン地域」は急速に減少し,2008(平成20)年4月1日現在,「弁護士ゼロ地域」は2か所,「弁護士ワン地域」は22か所となりました。残された2つの「弁護士ゼロ地域」のうち,福岡地裁柳川支部と大津地裁長浜支部についても,本年5月及び6月を目途に定着する弁護士が現れる予定です(福岡地裁柳川支部には,5月1日に弁護士登録が行われました)。そして,最後の弁護士ゼロ地域である大津地裁長浜支部にも,薮下さんが独立開業されることになりました。

 「弁護士ゼロワンマップ」の発表から15年,名古屋宣言から12年を経た今年,「弁護士ゼロ地域」は解消されることになったのです。全国のすべての地方裁判所支部には最低でも1人は弁護士がいるということであり,きわめて大きな意義があると思います。

 日弁連で弁護士過疎問題に取り組む田岡直博弁護士は「法科大学院との協力なども考えていきたい」と話している。

 ただ,これですべての問題が解決したわけではありません。

 依然として,新人弁護士の約50%は東京に就職しており,弁護士の大都市集中傾向は変わっていません。地方に定着(独立開業)する弁護士が現れることは理想的ですが,地元ならではのやりづらさもあります。家族の理解,生活の不安等から定着が難しい地域もあるでしょう。いったん定着しても,その後に転出したり,高齢や病気のために廃業してしまうこともあるかもしれません。

 ひまわり基金公設事務所や法テラスのスタッフ弁護士は有効な方策ですが,あくまで任期制の事務所ですから,後任の弁護士を確保し続けなくてはなりません。司法修習生やロースクールの学生を,ひまわり基金公設事務所や法テラスで受け入れることも考える必要があるでしょう。また,事務所が増えてくると,当然採算が取れないために日弁連等による資金援助が必要な事務所も出てくるでしょう。制度を安定的に運営するためには,「人」と「金」の問題は避けて通れません。

 また,弁護士過疎地域のとらえ方も,変えていく必要があるでしょう。地方裁判所支部単位での「弁護士ゼロワン地域」だけを問題にするのではなく,独立簡易裁判所・家庭裁判所出張所の所在地の中にも,弁護士が必要な地域もあるでしょう。そもそも裁判所の配置や管轄が,地域の実情に合致していない,という問題も以前から指摘されています(たとえば,水戸地裁麻生支部など)。弁護士が2人いれば足りる,ということではなく,実質的に地域住民のニーズに応えられることが重要です。

 弁護士の中には,さまざまな理由から「法テラスと契約しない」「刑事事件はやらない」「債務整理はやらない」という弁護士もいます。また,女性の弁護士の多くは大都市や県庁所在地に集中しており,女性弁護士が不足している,という問題もあります(女性弁護士の大都市集中傾向は男性のそれより顕著であり,函館弁護士会のように,女性弁護士が1人もいない単位弁護士会もあります)。「弁護士ゼロワン地域」を解消したら終わり,ということではなく,地域住民のニーズに応える人的・物的な体制を整備することが必要でしょう。

 そのためには,弁護士を増やすだけでは不十分であり,ひまわり基金や法テラスなどの施策と同時に,裁判所・検察庁や地方自治体の体制等を充実させていくことが必要になります。過疎地の地方裁判所支部の多くは裁判官が常駐しておらず,本庁や近隣の支部から出張して来ています。そのため,開廷日が週1回,週2回という支部が少なくありません。もっとも開廷日が少ないのは,松江地裁西郷支部で,年8回(3か月に2回)しか開廷されていません。

 また,地方自治体の法律相談事業も,厳しい財政状況のため縮小傾向にあります。多重債務や高齢者・障害者問題など,弁護士と自治体の連携が求められる分野はまだまだあります。限られた予算と人員を活用して,効率的に司法システムを機能させるための工夫が求められることになるでしょう。電話会議やテレビ電話会議システム等の技術も活用すべきでしょう。裁判官不足の問題について言えば,弁護士任官や非常勤裁判官が,自治体の法律相談事業については,弁護士と各部署の連携・協力(ネットワーク)が,ひとつの鍵になるはずです。

 このように残された課題は少なくありませんが,それでも,日弁連・法テラスの弁護士過疎対策は大きな成果をあげてきたことは間違いありません。これまでの歩みを後戻りさせることなく,今こそ,これからの弁護士過疎対策のあり方を展望することが求められている,と言うべきでしょう。

毎日新聞の記事
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080508ddm012040027000c.html

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ニュース 弁護士過疎地に「万能選手」

 開設されたのは「弁護士法人やまびこ基金法律事務所」(仙台市青葉区)。日本弁護士連合会(日弁連)が拠点事務所を全国に開設する資金として5年間で10億円の援助を決め、仙台は最初の開設地となった。事務所は東北弁護士会連合会(東北弁連)の「やまびこ基金」の財政支援も受けて運営する。

 初代所長に就任したのは元仙台地裁所長の泉山禎治弁護士(72)。事務所では東北の弁護士過疎地での開業を希望する若手弁護士を、毎年2人程度を採用していく。養成期間は約2年間で、仙台弁護士会に所属する先輩弁護士の仕事を手伝う形で指導を受けながら、訴訟や法律相談など業務のノウハウを学ぶ。民事、刑事を問わず、どんな事件にでも1人で対応できるオールラウンドプレーヤーを育てることが目標だ。

 弁護士過疎地では,民事・刑事問わず,あらゆる事件に対応する能力が求められます。日弁連は,弁護士過疎地に赴任する弁護士の養成のため,各分野のスペシャリストを講師にして集合研修等を行っています。しかし,正直言って,実務経験2年目,3年目の弁護士にそこまでの能力を求めることは難しいでしょう。公設事務所や法テラスの弁護士と言えども,スーパーマンではあり得ません。

 その意味では,あらゆる事件に対応する能力よりも,自分の能力で対応できる事件と対応できない事件を選別する能力。対応できない事件については,支援弁護士から助言を受けたり,支援弁護士に受任を依頼する能力こそが求められている,というべきでしょう。

 医師は弁護士に比べて専門化が進んでおり,基幹病院と開業医や診療所の役割分担が明確になっています。また,地域医療の分野では,予防(保健衛生)の重要性,チーム医療の重要性が説かれています。このことは,弁護士過疎地における弁護士の役割にも示唆を与えてくれるように思われます。これからの過疎地の弁護士は,赤髭(スーパーマン)ではなく,診療所や開業医の役割を目指すべきではないでしょうか。 

産経新聞の記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080408-00000013-san-l04

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ニュース 対馬,五島に法テラス開設を検討

 金銭トラブルや離婚など身近な法律問題の相談などに当たる日本司法支援センター長崎地方事務所(法テラス長崎)は10日、来年4月ごろまでに、弁護士が1人しかいない対馬、五島の両市に、それぞれ法テラス法律事務所を新設する方針を明らかにした。常勤弁護士を1人ずつ配置する。

 西日本新聞が,法テラス長崎は,馬,五島に法テラス法律事務所を開設して,スタッフ弁護士を常駐させる方針を明らかにした,と報じています。

 対馬と五島は,いずれもひまわり基金法律事務所が開設されており,弁護士ワン地域です。法テラス法律事務所の開設により,ゼロワンが解消されることになります。

 長崎県弁護士会は,2009年の被疑者国選対応の観点から,スタッフ弁護士の配置を進めて来ました。現在,長崎本庁,佐世保,壱岐に各1名のスタッフ弁護士が配置されています。五島,対馬に配置されると県内で5名となり,さいたまに並びます。

西日本新聞の記事
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/15559

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ニュース 法テラス岐阜に小林さんが着任

 弁護士不在のため休業していた、日本司法支援センター岐阜地方事務所(法テラス岐阜)=岐阜市美江寺町=併設の「法テラス岐阜法律事務所」に、小林茂美弁護士(32)が赴任し、同法律事務所が今月下旬にも本格的に業務を再開する。

 法テラス岐阜に,小林茂美さんが着任されました。「弁護士不在のため休業していた」とあるのは,現在,法テラス可児に赴任されている太田さんが,以前は法テラス岐阜のスタッフ弁護士として活動しておられたからです。現在,法テラス可児は,太田さんと山内さんの二人体制で,国選弁護人が不足している多治見支部の国選弁護事件等を担っておられます。

 小林さんは,語学留学の経験があり,英語であれば通訳人なしでも接見できるということです。中部地方は外国人の相談者,被告人も多いでしょうから,英語が使えるというのは頼もしい限りです(実際には,ポルトガル語やスペイン語を話す南米出身の日系人の方が多そうですが)。

 法テラスは,リーガルアクセスの解消を目的として設立されました。現在は,国選弁護・法律扶助という資力面でのアクセス障害,司法過疎という地理的なアクセス障害の二つに対応していますが,語学面,文化面でのアクセス障害のある外国人に対するリーガルアクセスの保障も重要な課題の一つだと思います。通訳体制の充実や民事法律扶助の適用範囲の拡大も検討しなければならないでしょう。

 小林さん,がんばってください。応援しています。

中日新聞の記事
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20080322/CK2008032202097259.html

毎日新聞の記事
http://mainichi.jp/area/gifu/news/20080325ddlk21040232000c.html

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ニュース 法テラス佐賀に小畑さんが着任

 09年5月までに裁判員裁判が始まりますが、裁判員になった一般の人も理解しやすい説明ができるようになりたい。目指すは刑事裁判のエキスパートです。法テラスに所属していることで、経営の収支を考えずに国選刑事弁護に打ち込めますから。

 法テラス佐賀に小畑雄一郎さんが着任されました。千葉県木更津市のご出身で,東京都内の養成事務所で研鑽を積み,この度,法テラス佐賀に赴任されたそうです。

 現在は約7割が刑事事件であり,刑事弁護のエキスパートになりたい,と話しておられます。そもそも司法制度改革審議会意見書が常勤弁護士が提唱したのは,裁判員裁判を含む連日的開廷に対応する必要があったからでした。その後の司法制度改革推進本部の公的弁護検討会でも,(1)裁判員裁判を含む連日的開廷に対する対応,(2)司法過疎地域における被疑者国選に対する対応,(3)刑事弁護全般の質的向上の3つが挙げられていました。

 しかし,さまざまな理由から,常勤スタッフ弁護士の導入の意義に反して,司法過疎対策の面が強調されてきました。マスコミでも,離島など過疎地のスタッフ弁護士の活動が取り上げられることが多く,都市部のスタッフ弁護士が注目されることは多くありませんでした(例外的に,法テラス埼玉の谷口くんが朝日新聞のコラムで取り上げられましたが,刑事弁護のエキスパートという観点から取り上げられたことはなかったと思います)。裁判員裁判の開始が1年後に迫った今こそ,あらためてスタッフ弁護士の導入の意義を再確認する必要があるように思います。

 小畑さん,がんばってください。応援しています。

毎日新聞の記事
http://mainichi.jp/area/saga/news/20080317ddlk41040329000c.html

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ニュース 法テラス魚津 開設から1か月

 弁護士が少ない、いわゆるゼロワン地区で、今月からサービスを始めた魚津法律事務所が、21日までに7件の事件を受任し、12件の相談を受けたことがわかった。24日に県弁護士会館で行われた独立行政法人「日本司法支援センター」富山地方協議会の意見交換会で報告された。法テラス富山地方事務所は、「上々の滑り出し。今後も多くの相談を受けたい」と話している。

 読売新聞に,法テラス魚津の小路さんが開設から3週間で,12件の相談を受け,7件を受任した,というニュースが出ています。開設後の活動状況が報道されるのは珍しいですね。富山にはこれまで,法テラス・ひまわりはありませんでしたから,注目されている証拠でしょう。朝日新聞にも,インタビュー記事が出ていました。それによると,ご両親が魚津市のご出身だそうですね。やりづらい事件もあるかとは思いますが,地縁のある地域のために貢献できるのはすばらしいことです。がんばってください。応援しています。

 

読売新聞の記事
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20080324-OYT8T00813.htm

朝日新聞の記事
http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000000803140002

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ニュース 法テラス福井に羽山さんが着任

 市民の法的トラブルの解決を援助する、福井市の「日本司法支援センター福井地方事務所」(愛称・法テラス福井)内に十七日、専属の弁護士一人を常駐させた法律事務所がオープンした。

 法テラス福井に,羽山茂樹さんが着任されました。羽山さんは千葉県館山市にご出身で,山形県鶴岡市のわきやま法律事務所で研鑽を積まれたそうです。北陸の法テラスとしては,富山県魚津市についで2か所目となります。敦賀支部・小浜簡裁管内の小浜市には,小浜ひまわり基金法律事務所があります。また,お隣の石川県には,輪島ひまわり基金法律事務所があり,中上さん,菊地さん夫妻が赴任しておられます。福井の方々のためにがんばってください。応援しています。

中日新聞の記事
http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2008031802096384.html

福井新聞の記事
http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news2/article.php?storyid=3505

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中日新聞「『50歳プラス』を生きる 司法過疎地で活動する「法テラス」の弁護士 神山 昌子さん(63歳)」

 中日新聞に,法テラス旭川の神山さんが取り上げられています。

 新聞では年齢が注目されることが多いようですが,普段話しているときは年齢差など感じません。「困った人のために働きたい」という同じ志を持った仲間です。とくにDV問題については,NPOなどと連携して積極的に取り組んでおられます。そのために稚内など遠隔地の裁判所に出向くことも少なくないようです。先日,稚内にひまわり基金の公設事務所が設置されましたので,少しは負担が軽減されるかもしれません。これからも,弁護士を必要としている方々のために,がんばってください。応援しています。

中日新聞の記事
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2008030502092719.html

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ニュース 法テラス魚津が開設

 日本司法支援センター魚津地域事務所(法テラス魚津)が三月三日から、魚津市上村木の魚津商工会議所に隣接する同商議所第二会館一階で業務をスタートさせる。

 3月1日に法テラス魚津の開所式があり,スタッフ弁護士の小路さんが着任されました。富山地裁魚津支部は長らく弁護士1人の地域でしたが,法テラス魚津の開設により,富山県のゼロワン地域は解消されました。小路さん,がんばってください。応援しています。

 ※ 新聞記事を引用しようと思って探したのですが,インターネットでは,開所式の記事が見つけられませんでした。北日本新聞も,富山新聞も,開設前の記事は見つかるのですが。

 

北日本新聞の記事
http://www.kitanippon.co.jp/contents/knpnews/20080210/9996.html

富山新聞の記事
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_today/T20080127202.htm

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スタッフ弁護士のブログ

 スタッフ弁護士のブログが開設されたようです。こういう自主的な情報発信はいいですね。自由と正義の「リレーエッセイ」や「草創期」もいいのですが,対象が弁護士に限られていますし,発行頻度や文字数の制約があります。ブログでしたらロースクールの学生や司法修習生も気軽に読むことができるでしょう。

 私も,公設事務所に赴任したばかりのころ,「月刊ひまわり弁護士」というメールマガジンを発行していたのを思い出します。リレーエッセイに「このメルマガを読んだ人の中から,ひまわりに赴任する人が現れるだろう」と書いたのですが,その後,原稿を集めるのが難しくなり,1年余りで廃刊になってしまいました。今でもときどき,「メルマガはやめたんですか」と聞かれることがあります。ブログの方が気軽でいいですね。

 司法修習生と話をしていると,公設事務所や法テラスに興味はあるんだけど,「実際のところどうなんですか?」と聞かれることが多いです。実際のところどうなのかは,現場を見て,話を聞いてもらうのが一番です。ただ,身近にいないということであれば,こういうブログを読んでいただくのがよいでしょう。日常の業務の中で,また生活の中で,生き生きと働き,遊んでいる姿が見えてくるはずです。

スタッフ弁護士のブログ
http://ameblo.jp/staff-lawyers/

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関弁連主催 公設事務所バスツアー

 関東弁護士会連合会(関弁連)主催の「公設事務所バスツアー」のご案内です。

 関弁連は,関東の弁護士会から構成される連合会です。関東といっても,東京高等裁判所の管轄に対応しているため,新潟や長野,静岡も含まれます。関弁連管内には,茨城(鹿嶋,神栖),千葉(銚子),新潟(上越,中越,佐渡),静岡(下田)などにひまわり基金の法律事務所が設置されています。ひまわり基金法律事務所は,弁護士過疎偏在地域に設置される事務所で,公設事務所(過疎地型公設事務所)とも呼ばれています。

 このバスツアーは,毎年,関弁連主催で行っているもので,東京から日帰りで行ける千葉,茨城の3つの公設事務所(銚子,神栖,鹿嶋)を見学するものです。このブログでも以前にもお勧めしましたが,ひまわり・法テラスの実情を知るためには,実際に公設事務所を見学して,そこで働いている弁護士の話を聞くのがいちばんです。ぜひ,バスツアーに参加してください。お待ちしています。

 なお,参加の申込みは,関弁連に直接でもかまいませんし,分からなければ桜丘法律事務所の亀井までメール(makichu@estate.ocn.ne.jp)でご連絡ください。

日時 : 2008年3月25日(火) 午前8時50分~午後6時頃
主催 : 関東弁護士連合会
対象 : 司法修習生(61期,62期),弁護士
費用 : 司法修習生は無料,弁護士は昼食代のみ負担

見学コース : (※順番は検討中です)

午前8時50分 弁護士会館1階正面玄関集合
午前9時    霞が関出発
         水戸地方裁判所麻生支部訪問
         銚子ひまわり基金法律事務所見学
         昼食(銚子市内)
         鹿嶋ひまわり基金法律事務所見学
         神栖ひまわり基金法律事務所見学
午後6時頃  霞が関着 解散

申込方法 : FAX(03-3581-7107)又はメール(a-mori@kanto-ba.org)でお申し込みください。申し込みの際には,①件名は「ひまわり基金法律事務所バスツアー参加申込」,②氏名,③司法修習期(現行・新の別),④連絡先電話番号をお書き下さい。

申込締切 : 2008年3月14日(金)

問合せ : 東京都千代田区霞が関1-1-3 弁護士会館14階
関東弁護士連合会(担当事務局:森)
電話 : 03-3581-3838
FAX : 03-3581-7107
メール : a-mori@kanto-ba.org

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毎日新聞「法テラス奈良 身近なトラブルの相談に」

 日常的なトラブルを法的に手助けする「日本司法支援センター奈良地方事務所」(法テラス奈良)が06年10月に開業し、相談件数を伸ばしている。裁判所管内で弁護士が1人以下の「弁護士ゼロ・ワン地域」だった南和地方(五條市、吉野郡)にも昨年11月に「法テラス南和法律事務所」(大淀町)が運営をスタートし、弁護士不足の解消にめどがつく形となった。

 少し古いニュースですが、昨年11月に奈良県の大淀町に法テラス南和が解説され、西木さんが常駐するようになりました。大淀町は奈良地裁五條支部の管内にあります。五條支部は全国に4か所しかない弁護士ゼロ地域(地裁支部管内に弁護士が1人もいない)の一つでしたが、法テラスの開所により解消されました。

 開設地域として大淀町が選ばれた理由は、一つは、五條支部のある五條市には弁護士法人の支所が開設されているため、同じ管内でも別の地域に開設した方が住民のアクセスが向上すると考えられたこと(吉野地域には、簡易裁判所があります。)。もう一つは、2009年から被疑者国選の対象範囲が拡大するため、警察署へのアクセスを考慮したこと、と聞いています。

 法テラスの司法過疎(4号業務)対応の事務所のうち、地裁支部所在地以外に開設されたのは、法テラス指宿(地裁支部は知覧支部であるが、指宿簡裁の所在地に開設)に続いて、2か所目です。

 本来、住民の観点からすれば、地裁支部の所在地や管轄にこだわることに合理的な理由はありません。地裁支部だけでなく、簡裁や警察署の所在地や、住民の意識や交通アクセスの容易さを考慮して、開設地域を検討すべきでしょう。また、弁護士の数も一応の目安にすぎず、その年齢、性別や活動実態を考慮して、実質的に司法アクセスに障害があると考えられる場合には、弁護士ゼロワン地域以外でも、司法過疎対応の事務所を開設することも検討すべきではないでしょうか。

毎日新聞の記事
http://mainichi.jp/area/nara/news/20080116ddlk29040566000c.html

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ニュース 法テラス三河に本多さんが常駐

 岡崎市康生通西3、森岡崎ビル2階の日本司法支援センター愛知地方事務所三河支部「法テラス三河」に法律事務所が開所、本多雅弁護士(33)がこのほど赴任し、常駐で業務に当たっている。
 本多さんは、地方裁判所書記官などを務めたあと、「市民と弁護士との距離をより近いものにしたい」と法テラスでの常勤を希望。東京都内の法律事務所で養成を受けてきた。

 本多さんは、裁判所書記官を勤めた後、桜丘法律事務所に入所して経験を積んでいました。私も共同して事件を受任したことがあります。そうしたご縁があり、今回、私も法テラス三河の開所式にも出席して来ました。開所式には、地元岡崎市の市長さんをはじめ、弁護士会三河支部の会員の先生方が多数出席しておられました。本多さんが地元に歓迎されていることが伝わってきました。

 名古屋地裁岡崎支部は、裁判員裁判を実施する支部の一つです。名古屋から近いとはいえ、弁護士会の三河支部は本会から独立しているようであり(もともと尾張と三河が別の国だからでしょうか)、2009年に裁判員裁判が始まると、その対応態勢が問題になりそうです。本多さんも、地元三河支部の先生方と共同して、裁判員裁判を担っていくことになるでしょう。これからのご活躍に期待したいと思います。がんばってください。

Mikawa1

東海愛知新聞
http://www.763.fm/tokai/080120.html

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ニュース 法テラス高知事務所開設

 日本司法支援センター(愛称・法テラス)は十六日、低所得者を対象に訴訟支援や刑事弁護を担当する「法テラス高知法律事務所」を高知市に開設し、所長に高宮大輔弁護士(31)が着任した。

 法テラス高知法律事務所の開設が報じられています。特徴的なのは,高知新聞は「低所得者の司法支援 」,毎日新聞は「弱者への活動に限定」と,どのメディアも「低所得者向け」を強調していることです。こういう見出しは,あまり見たことがありません。

 法テラスが低所得者のために取り組んでいることを広報するのはよいと思うのですが,「低所得者向け」と言われると相談しづらくなる方もいるのではないでしょうか。高齢者の中には,公的扶助を受給することに心理的な抵抗がある方もいらっしゃいますから。

 法律扶助の対象は(諸外国よりずっと狭いとはいえ)生活保護より広く所得5分位の第2分位までを対象としていますから,地方ではかなりの人が対象になるはずです。せっかくスタッフ弁護士が常駐するのですから,法律扶助の利用できる方には利用していただけるように,正しく広報していただくことが重要ではないでしょうか。

 いずれにせよ,高宮先生がんばってください。応援しています。

高知新聞の記事
http://www.kochinews.co.jp/

毎日新聞の記事
http://mainichi.jp/area/kochi/news/20080117ddlk39040612000c.html

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毎日新聞「ひと人えひめ:法テラス愛媛・常勤弁護士,藤原諭さん/愛媛」

 --どんな相談が多いのですか。

 相談内容の半分は債務問題です。ヤミ金融に手を出してしまった人、消費者金融の返済に困っている人などの債務整理をします。また刑事事件では、10月に伯方島で起きた中国人実習生による殺人事件の弁護も担当しています。無料相談は現在2週間待ちの状態です。

 藤原さんは,第二東京弁護士会の東京フロンティア基金法律事務所から,昨年,法テラス愛媛に赴任されました。松山市にスタッフ弁護士を配置することについては,愛媛県弁護士会の中でも賛否両論があったようですが,無料法律相談が2週間待ちであることや,離島で起きた殺人事件を受任していることからすると,当地では忙しい日々を送っておられるようです。

 私はまだ死刑求刑の事件を担当したことはありませんが,藤原さんのインタビュー記事を読むと,東京高裁で強盗殺人事件を担当して死刑求刑をされ,判決を読み上げるときに「人の命にかかわっている」と震えた,どんな被疑者にも何らかの言い分はある」と感じている,とあり感銘を受けました。

 藤原さんんのようなスタッフ弁護士が本庁に配置され,裁判員裁判などの刑事事件を担っていくことが,ひいては刑事弁護の質を高め,国民の信頼を得ることにもつながるのだろうと思います。

毎日新聞の記事
http://mainichi.jp/area/ehime/news/20071201ddlk38070713000c.html

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毎日新聞「にいがた人模様:法テラス佐渡法律事務所弁護士・冨田さとこさん /新潟」

  「人の5倍働き、10倍遊ぶ」がモットー。しかし仕事に忙殺され「大いに遊ぶ」とまではいかなかった。それでも「スキューバダイビングを5回。コブダイ、メバル、ノドグロに出会えた。祭り好きなんですが、各地の祭り巡りも楽しめたし、稲刈りも経験しました」。島の生活も十分楽しんでいるようだった。

 冨田さんは,すっかり法テラスの代名詞として有名になりましたね。

 マスコミに取り上げられ有名になることは,行動範囲が狭くなったり,心ない人から誹謗中傷されたりと嫌な思いをすることもあるかもしれませんが,全国各地で弁護士の助けを必要としている人々のために,がんばっていただきたいと思います。

 私には,冨田さんのように「5倍働く」時間も「10倍遊ぶ」エネルギーもありませんが,東京から全力で応援しています。

毎日新聞の記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080106-00000103-mailo-l15

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地家裁支部における司法アクセス拡充のために(第2回全国支部問題シンポジウム報告)

(司法改革最前線68号からの転載です。)

 第2回支部シンポでは,「地家裁支部における司法アクセス拡充のために弁護士・裁判所にどのような取り組みが求められているか」をテーマに,土屋美明氏(共同通信),佐藤岩夫氏(東京大学),安東章氏(最高裁判所総務局事務総局第一課長)にご出席いただいて,議論が行われた。

 裁判官の配置については,安東氏から「裁判所は,事件数,事務処理状況から見た業務量に応じ,裁判官を配置してきている」という説明がなされたのに対し,佐藤氏から「弁護士・裁判所は地域の問題解決のために固有の役割を果たしており,費用対効果の観点だけで考えるべきではない」という意見が出された。また,公設事務所に赴任した会員から「事件数が増えている支部については,裁判官を常駐させてもらいたい」という意見があった。

 刑事合議事件や執行事件の本庁集約の問題については,安東氏から「弁護士会の了解も得ずに裁判員裁判対象事件を一律に本庁に起訴する動きには,支部設置規則の趣旨に照らし改善を求めている。執行事件は当事者の出頭が必ずしも必要的ではなく,不動産競売の売却率を向上させるために,本庁に集約させている支部もある」という説明がなされた。これに対しても,公設事務所に赴任した会員から「地域の住民にとっては,執行異議等で争うことが困難になるなど不利益が生じている」「裁判員制度に協力を求めるためにも,裁判所は地域のサービスを充実させるべきではないか」との意見が出された。

 支部に裁判官を常駐させるための提案として,土屋氏から「キャリア裁判官ではなく,弁護士任官の非常勤裁判官を支部に配置してはどうか」という意見,弁護士任官等推進センターの中村雅人会員(東京)から「家事調停・民事調停については,非常勤裁判官に取り扱わせることも可能ではないか」という提案がなされた。「裁判官は毎年75名の定員増となっているが,弁護士任官を推進して支部にも配置していく必要がある」という意見もあった。

 今回のシンポジウムでは,中規模支部・大規模支部の問題について議論する時間が十分ではなかったが,地家裁支部の問題について最高裁判所と認識を共有すべく,議論する機会を持てたことには大きな意義があったと思われる。

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産経ニュース「刑事弁護態勢の確立へ 山本彰宏弁護士 法テラス和歌山」

 法的トラブルを解決するための情報提供などを行う「法テラス和歌山」(日本司法支援センター和歌山地方事務所)内に、法テラス和歌山法律事務所が開設された。東京弁護士会に所属していた山本彰宏弁護士(26)がスタッフ弁護士として着任した。

 産経ニュースに,法テラス和歌山に赴任された山本さんのインタビューが掲載されています。山本さんは刑事事件を中心に取り扱う都市型公設事務所(北千住パブリック法律事務所)で経験を積み,法テラス和歌山の本所に赴任されました。和歌山でも,「刑事事件の担い手」として期待されているようです。

 もともと,司法制度改革審議会の意見書は,裁判員裁判など連日的開廷に対応するために,「刑事専門」の「常勤弁護士」の導入を提言していました。また,司法制度改革推進本部の公的弁護制度検討会では,常勤弁護士の役割を,連日的開廷への対応,被疑者国選への対応,刑事弁護全般の質の向上と位置づけていました。

 被疑者国選の対象事件の拡大と裁判員裁判の開始を目前にして,スタッフ弁護士には,これまで以上に「被疑者国選,裁判員裁判の担い手」としての役割が期待されているといえるでしょう。そのためには,刑事事件の経験を蓄積し,弁護技術の質的向上を図るための研修や支援のスキームについても,検討する必要があるように思います。

産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/wakayama/071216/wky0712160239001-n1.htm

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朝日新聞 サラ金の一括請求の怪 弁護団結成

 貸金業者から不当に早期の「一括返済」を求められ、困っているとの相談が、県消費生活センターや法テラス青森などに相次いでいる。相談は10月下旬から増え始め、すでに県内で100件を超えた。県弁護士会に所属する弁護士22人が「不当一括請求対策弁護団」を結成し、8日に青森市で無料相談会を開く。

 弁護団によると、目立つのは県内に本支店を置く貸金業5社に絡む相談。三洋信販(本社・青森=業界大手の三洋信販とは別会社)▽ジャスト(6月に廃業)▽ジャパン▽セーブ▽ライクカード。同じグループ会社とみられ、県知事や国への登録がされている。

 また、数年前の返済の遅れを理由に「2年前に返済が3日間遅れましたね。契約違反なので一括で返済してください」などといった請求の相談もあったという。

(朝日新聞)

 東北の悪質化資金業者グループによる一括請求問題の続報が報じられています。青森県弁護士会が対策弁護団を結成し、無料相談会を開催するそうです。

 このグループ会社は東北各県に展開していますが、有名企業とまぎらわしい名前をつけることで知られています。セーブ、東急、東日本など百貨店の名前を語るものもあれば、有限会社の三洋信販やライクカードのように貸金業者を真似たものもあります。こういう紛らわしい名前をつけているため,百貨店の系列だと誤信する人も少なくありません。

 私が宮古ひまわり基金法律事務所の所長をしていたときも、たくさん相談が寄せられていました。免許証を返してもらえず監禁されたとか、無理やり貸し付けられたとか、返済を申し出ても受領してもらえないとか、社員に暴力を振るわれたとか,貸金業法に違反すると疑われる行為が多々ありました。私は、そのつど岩手県に行政処分の申告をしていましたが、岩手県はほとんど動いてくれませんでした。誇大広告を理由に15日間の業務停止を命じたことがありますが、それだけです。

 岩手県は26日(平成18年10月)、誇大広告で貸し付けの勧誘を行い貸金業法に違反したとして、盛岡市の東日本クレジット(鎌田好勝社長)を11月1日から15日間の業務停止処分にしたと発表した。利用者(債務者)からの相談に基づいて同課が7月上旬、立ち入り検査し、違反広告による勧誘事実を確認。東日本クレジットに25日付で業務停止処分を文書で通知した。

(岩手日報)

 過払い金の返還を求める集団訴訟を起こされている消費者金融「東日本クレジット」(盛岡市)の社員が、岩手県二戸市の自営業男性(45)に返済を求める際、暴行を加えてけがをさせていたことが18日、分かった。盛岡東署は被害届を受け、傷害や恐喝容疑を視野に捜査している。

(岩手日報)

 岩手県が及び腰なのは,県内有数の優良企業だからでしょう。東日本クレジットは,県知事登録の貸金業者の中では最大規模で,岩手県の法人所得ランキングでも7位にランクインしたこともあります。これだけ悪質な商法