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2008年3月

ニュース 法テラス岐阜に小林さんが着任

 弁護士不在のため休業していた、日本司法支援センター岐阜地方事務所(法テラス岐阜)=岐阜市美江寺町=併設の「法テラス岐阜法律事務所」に、小林茂美弁護士(32)が赴任し、同法律事務所が今月下旬にも本格的に業務を再開する。

 法テラス岐阜に,小林茂美さんが着任されました。「弁護士不在のため休業していた」とあるのは,現在,法テラス可児に赴任されている太田さんが,以前は法テラス岐阜のスタッフ弁護士として活動しておられたからです。現在,法テラス可児は,太田さんと山内さんの二人体制で,国選弁護人が不足している多治見支部の国選弁護事件等を担っておられます。

 小林さんは,語学留学の経験があり,英語であれば通訳人なしでも接見できるということです。中部地方は外国人の相談者,被告人も多いでしょうから,英語が使えるというのは頼もしい限りです(実際には,ポルトガル語やスペイン語を話す南米出身の日系人の方が多そうですが)。

 法テラスは,リーガルアクセスの解消を目的として設立されました。現在は,国選弁護・法律扶助という資力面でのアクセス障害,司法過疎という地理的なアクセス障害の二つに対応していますが,語学面,文化面でのアクセス障害のある外国人に対するリーガルアクセスの保障も重要な課題の一つだと思います。通訳体制の充実や民事法律扶助の適用範囲の拡大も検討しなければならないでしょう。

 小林さん,がんばってください。応援しています。

中日新聞の記事
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20080322/CK2008032202097259.html

毎日新聞の記事
http://mainichi.jp/area/gifu/news/20080325ddlk21040232000c.html

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ニュース 法テラス佐賀に小畑さんが着任

 09年5月までに裁判員裁判が始まりますが、裁判員になった一般の人も理解しやすい説明ができるようになりたい。目指すは刑事裁判のエキスパートです。法テラスに所属していることで、経営の収支を考えずに国選刑事弁護に打ち込めますから。

 法テラス佐賀に小畑雄一郎さんが着任されました。千葉県木更津市のご出身で,東京都内の養成事務所で研鑽を積み,この度,法テラス佐賀に赴任されたそうです。

 現在は約7割が刑事事件であり,刑事弁護のエキスパートになりたい,と話しておられます。そもそも司法制度改革審議会意見書が常勤弁護士が提唱したのは,裁判員裁判を含む連日的開廷に対応する必要があったからでした。その後の司法制度改革推進本部の公的弁護検討会でも,(1)裁判員裁判を含む連日的開廷に対する対応,(2)司法過疎地域における被疑者国選に対する対応,(3)刑事弁護全般の質的向上の3つが挙げられていました。

 しかし,さまざまな理由から,常勤スタッフ弁護士の導入の意義に反して,司法過疎対策の面が強調されてきました。マスコミでも,離島など過疎地のスタッフ弁護士の活動が取り上げられることが多く,都市部のスタッフ弁護士が注目されることは多くありませんでした(例外的に,法テラス埼玉の谷口くんが朝日新聞のコラムで取り上げられましたが,刑事弁護のエキスパートという観点から取り上げられたことはなかったと思います)。裁判員裁判の開始が1年後に迫った今こそ,あらためてスタッフ弁護士の導入の意義を再確認する必要があるように思います。

 小畑さん,がんばってください。応援しています。

毎日新聞の記事
http://mainichi.jp/area/saga/news/20080317ddlk41040329000c.html

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ニュース 法テラス魚津 開設から1か月

 弁護士が少ない、いわゆるゼロワン地区で、今月からサービスを始めた魚津法律事務所が、21日までに7件の事件を受任し、12件の相談を受けたことがわかった。24日に県弁護士会館で行われた独立行政法人「日本司法支援センター」富山地方協議会の意見交換会で報告された。法テラス富山地方事務所は、「上々の滑り出し。今後も多くの相談を受けたい」と話している。

 読売新聞に,法テラス魚津の小路さんが開設から3週間で,12件の相談を受け,7件を受任した,というニュースが出ています。開設後の活動状況が報道されるのは珍しいですね。富山にはこれまで,法テラス・ひまわりはありませんでしたから,注目されている証拠でしょう。朝日新聞にも,インタビュー記事が出ていました。それによると,ご両親が魚津市のご出身だそうですね。やりづらい事件もあるかとは思いますが,地縁のある地域のために貢献できるのはすばらしいことです。がんばってください。応援しています。

 

読売新聞の記事
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20080324-OYT8T00813.htm

朝日新聞の記事
http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000000803140002

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ニュース 法テラス福井に羽山さんが着任

 市民の法的トラブルの解決を援助する、福井市の「日本司法支援センター福井地方事務所」(愛称・法テラス福井)内に十七日、専属の弁護士一人を常駐させた法律事務所がオープンした。

 法テラス福井に,羽山茂樹さんが着任されました。羽山さんは千葉県館山市にご出身で,山形県鶴岡市のわきやま法律事務所で研鑽を積まれたそうです。北陸の法テラスとしては,富山県魚津市についで2か所目となります。敦賀支部・小浜簡裁管内の小浜市には,小浜ひまわり基金法律事務所があります。また,お隣の石川県には,輪島ひまわり基金法律事務所があり,中上さん,菊地さん夫妻が赴任しておられます。福井の方々のためにがんばってください。応援しています。

中日新聞の記事
http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2008031802096384.html

福井新聞の記事
http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news2/article.php?storyid=3505

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第169回参議院予算委員会(平成20年3月19日)

○森まさこ君

 時間がないということで、あと一問だけということで質問したいと思いますが、資料九を御覧ください。
 増田大臣に御質問したいんですが、地方の消費者行政でございますが、多重債務問題プログラムのときに相談窓口を充実させるようにというふうに決まりましたが、全くこれが進んでおりません。住民にとって、相談窓口を、どこに相談したらよいか分かるだけで問題解決には大きく前進をいたします。是非、積極的に取り組んでいただきたいんですが、資料十、資料十一にあるように、地方行政においては消費者問題の予算から大きく削減をされておりまして、消費者相談員の方がワーキングプアのような状態に陥っております。この点、増田総務大臣としましては、国からの支援策など、もしありましたらお聞かせください。

○国務大臣(増田寛也君)

 お答えを申し上げますが、今先生の方からお示しございました資料、資料九以下の多重債務、そして地方での大変厳しい状況などの資料が付いてございます。特に資料十三に、私が知事をしておりました岩手で、例の田岡弁護士が多重債務に大変献身的に取り組まれた、その資料なども入っておりました。

 今、そうしたまさに国民との接点である地方組織が、残念ながら予算が半分程度になる、それから人員も四分の三、四分の一ぐらい減ってしまっているということで大変弱体化をしていると。一方で、相談件数が大変多くなってきておりまして複雑化している問題がある。これは、多重債務以外の問題も含めて、こうしたところを必ず強化していかなければこの消費者行政というものの解決に結び付かないと、このように私も認識をしているところでございます。

 今お話がございました相談窓口の統一化、これは各省としても取り組んでいただくと同時に国として全体を一元的にやっていただく、そして、地方もこうした住民の皆さん方の目線に立ってその相談を寄せるところを一本化をしていくということに今後取り組んでいきたいと思いますし、それから、あとやはり地方公共団体のこうした消費者行政についての権限の拡充も今後必要になってくるだろうと。これは分権を進めていく中で大きな課題、論点だと思っておりますし、それから地方公共団体への情報提供体制の充実、さらには、今最後にお話がございましたが、財政支援などについて、私どもも関係府省ともよく協力をしてできる限りの努力をしていきたいと、このように考えているところでございます。

 国会議事録検索システムに登場しました。自民党の森まさこ議員のご質問に対する増田大臣の発言です。

 増田大臣には,岩手県知事の時代に二度お会いしたことがあります。1回は,国民の司法を考える300人委員会の発足シンポジウムで,もう1回はBBL(小会議)でした。

 私は当時,宮古ひまわり基金法律事務所の所長で,弁護士と行政が連携して多重債務問題や高齢者問題に取り組むことの必要性をお話ししました。増田知事は,地方分権を進めるためには「都道府県にも内閣法制局が必要である」という持論をお持ちで,弁護士が自治体に入ることの必要性をお話ししておられました。

 その後,増田大臣は3期で岩手県知事を退任され,福田内閣の総務大臣に就任された訳ですが,今回の発言を伺っても,地方自治体の行政に深い理解をお持ちであることを再認識しました。消費者庁の実現(中央の省庁間における権限の集中)と同時に,地方自治体の消費者行政の充実(中央地方関係における権限と予算の分散)も,考えていかなければならないと思います。

http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=5693&SAVED_RID=1&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=9&DOC_ID=8063&DPAGE=1&DTOTAL=7&DPOS=1&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=5734

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シンポジウム「遠すぎて,駆け込めません~府南部に裁判所つくろう」 

 京都弁護士会主催のシンポジウム「遠すぎて、駆け込めません。~府南部地域に裁判所をつくろう」が15日、下京区のキャンパスプラザ京都であった。弁護士や議員ら約70人が参加し、府内で地裁や家裁の支部がない南部地域に設置を求める運動を本格化することで一致した。

 3月15日,京都弁護士会主催で,京都府南部地域に地方家庭裁判所支部の設置を求めるシンポジウムが開催されました。先日,神奈川県の相模原でも,「首都圏弁護士会支部サミットin相模原」が開催されましたが,近年,地域の司法制度の充実を求める声が強くなっています。その背景にあるのは,皮肉なことに司法制度改革の結果,都市部の司法制度は充実したけれど,地域の司法制度は縮小してしまい,地域格差が拡大しているという現実です。

 司法制度改革によって導入された裁判員制度や労働審判は,原則として地方家庭裁判所の本庁だけを対象としています(裁判員裁判は,例外的に,全国10か所の支部で実施されます)。裁判所や検察庁は,裁判員制度に対応するため,重大事件を本庁に起訴する傾向にあります。おそらく,裁判官,書記官,検察官も来年の裁判員制度の開始までには,本庁に大幅に集約されるでしょう。また,小規模支部では,執行事件や破産事件の取り扱いが廃止されています。検察審査会も,今年5月には統廃合される予定です。釧路地裁では,出張相談が廃止されました。このように,地方の司法制度は縮小し,地域格差は拡大する一方です(同じように,法務局も統廃合により,減少する一方です)。

 歴史を振り返ってみると,昭和62年に簡裁統廃合(裁判所は,適正配置と呼んでいます。)により,地方の独立簡裁101庁及び事務移転庁21庁の統廃合と,東京・大阪・名古屋・北九州の17の簡裁の統廃合が実施されました(新設されたのは,町田簡裁と所沢簡裁の2庁だけでした)。また,平成元年には地家裁支部の統廃合により,乙号支部41庁の統廃合,甲号支部と乙号支部の統廃合(実質的には,甲号支部の廃止)が実施されました(新設されたのは,相模原支部と苫小牧支部の2庁だけでした)。地域住民が反対運動を行った地域もあったようですが,大半の支部は弁護士が不在だったこともあり,統廃合が粛々と進められたようです。近年,地方家庭裁判所支部が縮小傾向が見られることからすると,近い将来,再び地家裁支部,簡裁の統廃合が実施される可能性がある,と見るべきでしょう。

 日弁連は,1996年の名古屋宣言以来,弁護士過疎偏在問題に取り組んできました。ゼロワン支部は78か所から22か所まで,大幅に減少しました。このうち,ゼロ支部は2か所であり,いずれも今年夏頃には解消される見込みです。つまり,すべての地方家庭裁判所の支部管内には弁護士がいる,ということです。もし,地家裁支部,簡裁の統廃合が実施されたら,管内の弁護士にとっては大打撃です。事務所を撤退する弁護士も出てくるでしょう。それでは,何のための弁護士過疎偏在対策であったか分かりません。地域住民にとっては,弁護士,裁判所が揃ってこそ意味があるのであり,「弁護士が来てくれたから裁判所はいらない」ということにはならないはずです。

 最高裁は,地家裁支部,簡裁の統廃合では,統合庁までの距離と新受件数の二つの基準を挙げていました。しかし,これまで弁護士がいなかったのですから,新受件数が少なくても当然です。弁護士が常駐することにより,潜在的な需要が喚起され,新受件数が増加すると予想されます。新受件数という目に見える指標だけでなく,潜在的な需要も考慮すべきでしょう。また,小規模支部では裁判官が常駐しておらず,開廷日が少ないために,新受件数が増加しないのかもしれません(盛岡の弁護士は,宮古支部に管轄が認められる事件でも,盛岡本庁に提訴する場合があります)。「利用されていないから廃止しよう」という消極的な姿勢ではなく,「利用されるように工夫して,廃止されないようにしよう」という積極的な姿勢があって,しかるべきではないでしょうか。

毎日新聞の記事
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20080316ddlk26040292000c.html

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ニュース 阿南・美馬ひまわり 開設から1年

 徳島県の弁護士過疎地域を解消するために設けられた「阿南ひまわり基金法律事務所」(阿南市富岡町、立石量彦弁護士)と「美馬ひまわり基金法律事務所」(美馬市脇町脇、梶野正寛弁護士)は、開所からそれぞれ一年が過ぎた。多重債務に陥った人などから相談が相次いでおり、問題を一件ずつ解決に導くことで地域に根ざした活動を続けている。

 徳島県に二つの公設事務所が開設されてから1年を経過しました。

 阿南ひまわりの立石さんは,もともと徳島県のご出身で,阿南に定着される予定だそうです。現在はご夫婦で,阿南ひまわり基金法律事務所に赴任しておられます。記事によると「県内だけではなく高知県東洋町の住民からも相談があった。」ということで,徳島県南部だけでなく,高知県の東部まで実質的にはカバーしておられるようです。東洋町の管轄は,高知地裁の安芸支部ですから,出張するのも大変だろうと思います。

 また,美馬ひまわりの梶野さんは,徳島県のご出身ではありませんが,同じく美馬に定着される,ということです。美馬支部の管内には,脇町の大西弁護士がいらっしゃいますので,梶野さんが定着されると弁護士2人地域になります。梶野さんは「美馬事務所ができるまでは、県西部に弁護士は一人しかいなかった。二人になったことで、利害が対立する当事者を二人の弁護士が担当することも可能になった。」と話しておられますが,まったくそのとおりだと思います。

 お二人とも定着されるということですので,今後も地域のためにがんばってください。応援しています。

徳島新聞の記事 地域密着、活動根付く 阿南・美馬、ひまわり基金法律事務所1年 
http://www.topics.or.jp/contents.html?m1=2&m2=&NB=CORENEWS&GI=Kennai&G=&ns=news_119873829092&v=&vm=1

徳島新聞の記事 脇町に法律事務所開設1年余 挑戦続く大西弁護士
http://www.topics.or.jp/index.html?m1=5&m2=25&bid=11660741983006&cid=11660812259668&vm=1

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ニュース 山形県弁護士会が弁護士を誘致

 県弁護士会は今年1月、「増員問題対応プロジェクトチーム」を発足させ、本格的な確保策に乗り出した。

(中略)

 県弁護士会の遠藤会長は「弁護士を目指す多くの人には、『田舎では食べていけないのでは』という偏見があるように思える。これまでは山形の魅力が全国に発信できていなかった。会として独自にアピールし、弁護士を誘致する必要がある。行政にも現在の状況を理解してもらい、県の魅力を全国にアピールしてもらいたい」と話している。

 山形県弁護士会は,今年1月,増員問題対応プロジェクトチームを発足させ,弁護士の誘致に乗り出したそうです。

 法曹人口の急激な増加にともない,都市部では弁護士の過剰が問題になっていますが,他方で,地方の単位弁護士会では,裁判員裁判や被疑者国選など公益的事件の担い手が不足しています。山形県弁護士会の取り組みは,地方から積極的に弁護士を誘致するもので,画期的な意義があると思います。山形県弁護士会のホームページの「山形で弁護士をしてみませんか」は,非常に分かりやすく,充実した内容になっています。

 また,遠藤会長は,「行政にも現在の状況を理解してもらい、県の魅力を全国にアピールしてもらいたい」と言っていますが,そのとおりだと思います。これまでの自治体は,医師の誘致には積極的でも,弁護士の誘致には消極的でした。弁護士が「社会生活上の医師」であるなら,弁護士を誘致しようという自治体があってもいいはずです。自治体が弁護士を誘致している例としては,鳥取県が弁護士過疎地域に開業する弁護士に奨励金(100万円から200万円)を交付していることが有名です。また,岩手県も「岩手県の弁護士過疎の状況」というページを作成し,Uターン,Iターンの情報を掲載しています。

 どうせ地方に赴任するなら,歓迎される単位弁護士会に赴任する方がいいに決まっています。単位弁護士会と自治体が協力して,地方の魅力を発信することにより,地方で開業しようという弁護士は確実に増えるのではないでしょうか。山形県弁護士会の取り組みの成果が期待されます。

読売新聞の記事
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20080310-OYT8T00595.htm

山形県弁護士会
http://www.yamaben.or.jp/

鳥取県 司法制度改革に関する鳥取県の取り組み
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=48032

岩手県 岩手県の弁護士過疎の状況
http://www.pref.iwate.jp/~hp010301/houmu/bengoshikaso.html

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ニュース 多摩パブリック法律事務所が開設

 多摩パブリック法律事務所所長の井上章夫弁護士は「三多摩格差と言われるが、インフラも含め不十分な中、司法分野も不十分で遅れていると思う。弁護士会が組織として公設事務所設置し人権を守っていくというのが第一の意義だと思う」と話しています。

 多摩パブリック法律事務所が,開設されました。全国では10番目,多摩支部としては初めての都市型公設事務所になります。事務所の内部の様子は,東京メトロポリタンテレビ(TOKYO MX)の映像で見ることができますが,とてもきれいなオフィスですね。まだオープンしたばかりですが,将来,法テラス多摩と並んで,多摩支部における裁判員裁判,被疑者国選の拠点となることでしょう。

TOKYO MX
http://www.mxtv.co.jp/mxnews/news/200803056.html

毎日新聞の記事
http://taoka.cocolog-nifty.com/himatera/2008/01/post_9268.html

ひまテラNEWS 東京新聞「多摩に公設法律事務所 新制度対応で初 弁護士不足補う」
http://taoka.cocolog-nifty.com/himatera/2008/01/post_9268.html

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「難解な法解釈と裁判員裁判」刑事法ジャーナル11号

 本日,刑事法ジャーナル11号が届きました。

 特集のテーマは「難解な法解釈と裁判員裁判--責任能力に関する模擬裁判を通して」であり,森一郎事件の模擬裁判を素材にして,裁判官,検察官,弁護人の立場から報告が寄せられています。弁護人の報告は,私が執筆しました。3名が別々に執筆したため,内容的に重複する部分もあり読みづらいですが,それぞれの立場から立ち入った分析がなされています。

 たとえば,責任能力の判断基準について,従来は,弁識能力と制御能力の二つの基準が用いられてきましたが,駒田裁判官は「自己の判断で犯罪をおかしたかどうか」という基準を提案しています。ただ,森一郎事件では,被告人に殺意が認められることは前提なのですから,「殺すつもりはあったが,自分の判断で殺したのではない」などという心理状態が想定できるか疑問です。裁判員にも理解されないでしょう。これまでの模擬裁判を傍聴していても,「弁識能力」と「制御能力」という二つの基準は,それなりによく考えられており,わざわざ言い換える必要はないのではないか,という意見がかなり有力でした。

 また,評議において,責任能力に関する裁判例等を配布することは,いい提案だと思います。ただ,その場合には,量刑資料と同じで,事前に検察官と弁護人に示しておくべきでしょう。たとえば,公判前整理手続において,検察官と弁護人に対し,いくつかの裁判例を示しておけば,論告や弁論で,どの判例と似ているとか,どこが違うという議論が可能になります。それをしないと,検察官から大量に心神耗弱の裁判例が提出され,評議が混乱してしまうかもしれません。裁判例を利用する場合には,きちんとルールを定めておく必要があるでしょう。

 ほかにも,面白い議論がなされています。興味のある方は,お読みください。

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中日新聞「『50歳プラス』を生きる 司法過疎地で活動する「法テラス」の弁護士 神山 昌子さん(63歳)」

 中日新聞に,法テラス旭川の神山さんが取り上げられています。

 新聞では年齢が注目されることが多いようですが,普段話しているときは年齢差など感じません。「困った人のために働きたい」という同じ志を持った仲間です。とくにDV問題については,NPOなどと連携して積極的に取り組んでおられます。そのために稚内など遠隔地の裁判所に出向くことも少なくないようです。先日,稚内にひまわり基金の公設事務所が設置されましたので,少しは負担が軽減されるかもしれません。これからも,弁護士を必要としている方々のために,がんばってください。応援しています。

中日新聞の記事
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2008030502092719.html

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置塩正剛「司法の偏在 裁判所、検察庁の体制充実も」

 司法試験の合格者が増えても、その中から裁判官や検察官に採用される人数はほとんど変わっていない。浜田・益田の裁判官は、両方の裁判所を兼任しており、地方裁判所判事と簡易裁判所判事が交代で勤務していて常駐していないし、浜田・益田には正検事がいない。良質な司法サービスを提供するためには、弁護士だけでなく、裁判所や検察庁の体制の充実も必要だと思う。

 山陰中央新報に,益田ひまわり基金法律事務所所長の置塩さんの記事が載っています。テーマは「弁護士過疎」ではなく,「司法過疎」。つまり,裁判所や検察庁の体制の充実の問題です。

 「司法過疎」という言葉は,二つの意味で用いられることがあります。もともと,「弁護士過疎ではなく,司法過疎だ」言われるときは,裁判所や検察庁の体制も不十分であるという指摘が含まれていたのですが(中村仁「司法過疎の解消を目指して」ジュリスト1180号),司法制度改革推進本部以降は,「弁護士,弁護士法人及び司法書士」の不足を意味する言葉として用いられるようになりました(法テラスの司法過疎業務は,もっぱらこの意味で用いられています)。そのため,いつの間にか裁判所や検察庁の体制の問題が抜け落ちてしまいました。

 置塩さんが指摘するとおり,弁護士はまだまだ足りないと思いますが,同時に裁判官や検察官も足りないと思います。裁判所の職員である書記官,事務官,調査官も足りませんし,厳密には職員ではない執行官,公証人も足りているとは思いません。あるいは,現状ではそれなりに足りているかもしれませんが,司法制度改革は司法の容量を飛躍的に増大させ,この国のあり方を大きく変えようとしたのですから,当然それに伴って,人員と予算を付けるべきでした。司法制度改革審議会意見書も,末尾でそのように付言していました。

 しかし,実際にはなかなか思うように進んでいません。法テラスにしても,裁判所にしても,最後は「財務省がうんと言わないから」と財務省のせいにされてしまうのです。たしかに国民の税金が使われるわけですから,無駄遣いしないことは当然としても,本当に必要なところまで削られているような気がしてなりません。宮古は,私が大騒ぎしたせいかどうか分かりませんが,ようやく裁判所にエレベーターが設置されました。

 法曹三者の内輪で愚痴を言い合うだけでなく,利用者である国民の立場に立って,自治体の首長や国会議員とも連携しながら,ねばり強く訴えていくことが必要だと思います。

山陰中央新報の記事
http://www.sanin-chuo.co.jp/column/modules/news/article.php?storyid=500263035

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ニュース 稚内ひまわり基金法律事務所 開設

稚内に弁護士が増員されました。弁護士の過疎地域を解消しようと日本弁護士連合会が資金を援助して開設した「稚内ひまわり基金法律事務所」がきのう、オープンしました。

任期3年の所長として赴任したのは、公募に応募して選ばれた札幌出身の佐藤真吾弁護士(32歳)です。会見で、佐藤弁護士は「宗谷地区の人たちに貢献できるように業務にまい進する」語りました。ひまわり基金から開設・運営の費用の援助や支援を受ける法律事務所は、全国で70ヵ所、道内でも10カ所に上るということです。

 3月2日,稚内全日空ホテルで「稚内ひまわり基金法律事務所」の開所式があり,私も出席して来ました。

 前日,友人の結婚式のため新花巻に泊まっていたので,新幹線や飛行機の接続が乱れたらアウトだと思っていましたが,当日午前6時頃に新花巻駅から新幹線に乗りましたら,10時頃には羽田空港に着き,無事に開所式に出席することができました。帰りも午後5時過ぎの飛行機で千歳空港に飛び,そこから飛行機を乗り継いで,午後9時頃には羽田空港に帰って来ることができました。

 さすがに今日一日でこれだけ移動した弁護士は他にいないだろうと思っていたら,北海道各地から集まった弁護士の方々も,車で7時間かけて来たとか,列車で片道5時間かけてきたという人ばかりであり,北海道の広さを思い知らされました。中でも,日弁連公設事務所・法律相談センター事務局長の溝呂木先生は,前日に法テラス魚津の開所式に出席し,そこからいったん東京に戻って,飛行機を乗り継いで札幌に飛び,札幌から列車で稚内入りした!という話を聞いて,驚きました。

 稚内は,言うまでもなく日本最北端の地です。裁判所は,旭川地裁の管轄であり,稚内支部が設置されています。旭川地裁の管内には,紋別支部,留萌支部,名寄支部,稚内支部の4つがありますが,いずれも非常駐支部であり,本庁の裁判官が填補しています。弁護士は,稚内をのぞく3つの支部には,ひまわり基金の公設事務所が設置されており,残すは稚内だけとなっていました。しかも,稚内は旭川から250キロと最も離れているため,交通事情も悪く,被疑者国選の対応態勢にも不安を抱えていました。

 1999年にひまわり基金が設置され,公設事務所の開設が最初に検討されたのも,稚内でした。しかし,元検事正の吉岡先生がここに「彩北法律事務所」を開設されたために,見送られた経緯があります。じっさい,吉岡先生は,お一人で長らく市民の相談に乗って来られたそうです。新聞報道によると,吉岡先生は,当初は公設事務所の開設に積極的ではなかったようですが,最終的には快く承諾されたようです。開所式でも,「早く追いついて,安心させてもらいたい。」と言っておられました。

 所長に就任されたのは佐藤真吾さんです。北海道出身で,道庁にもお勤めになった経験があるそうです。弁護士になってからは,札幌弁護士会が設立したすずらん基金法律事務所で,経験を積んで来られました。開所式では,「格差問題は,経済的な格差の問題だけではない。弁護士がいないために,実質的な権利保障の格差もある。住む地域によって,こうした権利保障の格差があってよいはずがない。私は,稚内市民の権利を実現するために,がんばりたい」と決意を語っておられました。

 とてもいい式典であり,佐藤さんであれば,かならずや稚内市民の期待を勝ち得ることだろうと思いました。被疑者国選の対応も大変だとは思いますが,吉岡先生と二人でがんばってください。応援しています。

札幌テレビ放送の動画ニュース
http://www.stv.ne.jp/news/item/20080303082256/

Wakkanai

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ニュース 法テラス魚津が開設

 日本司法支援センター魚津地域事務所(法テラス魚津)が三月三日から、魚津市上村木の魚津商工会議所に隣接する同商議所第二会館一階で業務をスタートさせる。

 3月1日に法テラス魚津の開所式があり,スタッフ弁護士の小路さんが着任されました。富山地裁魚津支部は長らく弁護士1人の地域でしたが,法テラス魚津の開設により,富山県のゼロワン地域は解消されました。小路さん,がんばってください。応援しています。

 ※ 新聞記事を引用しようと思って探したのですが,インターネットでは,開所式の記事が見つけられませんでした。北日本新聞も,富山新聞も,開設前の記事は見つかるのですが。

 

北日本新聞の記事
http://www.kitanippon.co.jp/contents/knpnews/20080210/9996.html

富山新聞の記事
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_today/T20080127202.htm

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ニュース 都留ひまわり基金法律事務所 開設へ

 「弁護士過疎」といわれる郡内地域の弁護士不足を解消するため、県弁護士会は08年秋をめどに、公設の弁護士事務所を都留市内に開設する。公設事務所の設置は県内初で、弁護士会は弁護士1人を全国募集している。

 毎日新聞が,都留ひまわり基金法律事務所の開設が決まり,所長を公募していることを伝えています。

 都留支部は甲府地裁の唯一の支部ですが,管内に弁護士が1人しかいません。しかも,その1人も富士吉田市に事務所を構えており,裁判所のある都留には1人も弁護士がいませんでした。山梨県弁護士会が公設事務所の設置を決議し,県内の弁護士過疎問題に取り組むことを決めたのは画期的な決断だと思います。

 開設前から報道されるのは異例のことですから,地域住民の期待も高いのでしょう。私個人としても,1日も早く所長弁護士が現れて,事務所が開設されることを願っています。

毎日新聞の記事
http://mainichi.jp/area/yamanashi/news/20080305ddlk19040469000c.html

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愛知大学法科大学院の入試問題に登場しました。

【問題1】 次の文書1は新聞記事の抜粋である。これを読んで以下の問いに答えなさい。
(A)筆者が最も主張したいと考えていることは何か。解答用紙3行以内で解答しなさい。
(B)上記Aで指摘した点について、あなた自身の考えを述べ、筆者とは異なった観点から論じなさい。このとき何処が筆者の観点と異なっているのかを明確にしてから論じなさい。
(配点75点)

文書1

(政態拝見) 司法制度改革 政治を変え民主主義深める
根本清樹(編集委員)

 愛知大学法科大学院の2007年度(B日程)の入試問題に登場しました。この記事は,私が宮古ひまわり基金法律事務所の所長をしているときに,「国民の司法を考える300人委員会」のシンポジウムで行った発言がもとになっています。記事を書かれたのは朝日新聞の根本さんです。当時はかなり反響を呼びましたが,まさか入試問題になるとは思っておらず,驚きました。

http://www.aichi-u.ac.jp/lawschool/images/07_b_s.pdf

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スタッフ弁護士のブログ

 スタッフ弁護士のブログが開設されたようです。こういう自主的な情報発信はいいですね。自由と正義の「リレーエッセイ」や「草創期」もいいのですが,対象が弁護士に限られていますし,発行頻度や文字数の制約があります。ブログでしたらロースクールの学生や司法修習生も気軽に読むことができるでしょう。

 私も,公設事務所に赴任したばかりのころ,「月刊ひまわり弁護士」というメールマガジンを発行していたのを思い出します。リレーエッセイに「このメルマガを読んだ人の中から,ひまわりに赴任する人が現れるだろう」と書いたのですが,その後,原稿を集めるのが難しくなり,1年余りで廃刊になってしまいました。今でもときどき,「メルマガはやめたんですか」と聞かれることがあります。ブログの方が気軽でいいですね。

 司法修習生と話をしていると,公設事務所や法テラスに興味はあるんだけど,「実際のところどうなんですか?」と聞かれることが多いです。実際のところどうなのかは,現場を見て,話を聞いてもらうのが一番です。ただ,身近にいないということであれば,こういうブログを読んでいただくのがよいでしょう。日常の業務の中で,また生活の中で,生き生きと働き,遊んでいる姿が見えてくるはずです。

スタッフ弁護士のブログ
http://ameblo.jp/staff-lawyers/

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