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2008年2月

「刑事裁判を創る 模擬裁判のすすめ」全友ニュース(未刊)

 裁判員制度は,すべての弁護士にとって未知の課題である。その意味では,1年目の弁護士も,30年目の弁護士も,同じスタートラインに立っている。むしろ,若い弁護士の方が従来の実務にとらわれず,斬新な発想を取り入れることができるかもしれない。まだ今年の夏頃までは模擬裁判が予定さている。せっかくの機会だ。ぜひ若い弁護士に積極的に参加していただきたいと思う。来るべき裁判員裁判を創るのは,私たちなのだから。

 「刑事裁判を創る 模擬裁判のすすめ」全友ニュース(未刊)をアップロードしました。第二東京弁護士会の全友会という団体の機関誌に投稿したものです。森一郎事件を素材として,裁判員裁判のプラクティスについて論じています。特に目新しいことが書いてあるわけではないですが,若い読者が読むことを想定して,読みやすさに配慮しました。興味のある方は,ご覧ください。

(2008年3月5日リンクを修正しました。)

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「大量増員時代の行き方--弁護士過疎地のオンリーワン」神奈川大学法科大学院講演録(録音反訳)

 そうした弁護士達が集うセンターのような事務所,都市型の公設事務所ができたらいいなと思っています。先日,台湾の法律扶助協会のスタッフ弁護士が日本に来たそうです。日本だけではなく,今やアジア各国にも,こうした公益的な仕事に取り組む弁護士が生まれつつある,ということです。そうすると,国際的なリーガルセンターの拠点として,人材や情報を集めて,アジア各国のリーガルアクセスが保障されていない人達のために働く弁護士が集う法律事務所ができないか。また,そうしたリーガルセンターが設置されるたとえば東京でも,外国人や難民の人達のリーガルアクセスはまだ保障されていません。言語の問題,文化の問題があり,なかなか弁護士にアクセスすることができません。そうした外国人や難民の問題に取り組むと同時に,国際機関に出て行く,海外の同じような志をもった弁護士と交流する,そんなことができればと思っておりました。わくわくしますよね。

 私はそんなふうに夢を膨らませているところです。志を同じくする仲間とともに,誰もがリーガルアクセスが保障される社会を夢見て,弁護士の新しい可能性を切り開いて行けたらどんなに素晴らしいだろうと思っています。

 ひさびさにホームページを更新しました。まず,昨年10月に神奈川大学法科大学院で行った「大量増員時代の行き方--弁護士過疎地のオンリーワン」の講演録(録音反訳)です。前半は私の講演ですが,後半は神奈川大学法科大学院の阿部浩己先生,日弁連地域司法計画推進本部副本部長の間部俊明先生とのパネルディスカッションになっています。興味のある方は,ご覧ください。

(2008年3月5日リンクを修正しました。)

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管理人近況 日本最北端の地へ

 今週は,月曜日から水曜日まで,裁判員制度の模擬裁判でした。今朝の朝日新聞に,写真が出ていましたね。森一郎事件を素材に,鑑定人2人の対質を行うという試みで,被告人の立場でしたが,とても勉強になりました。でも,模擬裁判は疲れますね。

 土曜日は盛岡で友人の結婚式があり,日曜日には日本最北端の地,稚内に行く予定です。稚内は,8年前にひまわり基金ができた当初に,旭川弁護士会が公設事務所を設置しようとした弁護士過疎の代表地域ですが,元検事正の吉岡先生が定着されたため,長らく公設事務所の設置が進みませんでした。この度,2009年の被疑者国選弁護の対応のために公設事務所が設置されたことには,大きな意義があると思います。稚内に行くのは初めてなので,楽しんで来ようと思います(日帰りの予定ですが)。

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ニュース 裁判員裁判で,鑑定人2人を対質

 来年5月までに導入される裁判員制度のスタートを前に、結論の異なる2種類の精神鑑定書を作成した鑑定医2人を同時に証言台に立たせて、交互に尋問する方式を取り入れた模擬裁判が26日、東京地裁(林正彦裁判長)で行われた。こうした尋問方式を模擬裁判で行うのは全国で初めて。

 昨日から3日間,東京地裁刑事20部で,裁判員裁判の模擬裁判が行われています。事件は森一郎事件で,統合失調症の被告人が妄想に影響されて,レンタカー会社の従業員を殺害してしまったという殺人被告事件です。これまで東京三会では,いわゆるフル企画(私が弁護人の一人を務めました。)のほか,全員参加型の模擬裁判が2回行われています。これが,4回目の森一郎事件の模擬裁判ということになります。

 この模擬裁判の目的は,鑑定人2人を対質することです。対質というのは,証人を2人同時に尋問することです。この模擬裁判では,簡易鑑定を行った太田医師と,本鑑定を行った横山医師の2人の意見が対立しているのですが,その2人を同時に証人尋問して,違いを浮かび上がらせようというわけです。私は今回は弁護人ではなく,被告人!で参加しました(どこかの新聞やテレビに映っていたかもしれません。)。

 私も実際に対質を見るのははじめてでしたが,鑑定人のお二人がとても分かりやすく説明されていたこともあり,非常に分かりやすいと感じました。ただ,今回もそうでしたが,対質の場合には,まず裁判所から質問する必要があるでしょう。一方当事者からの尋問は,自分に有利な証言を引き出そうとするため,論争的な質問が多くなり,分かりづらいように思いました。証人が1人であれば,通常は請求者が主尋問を行えばよいのですが,対質の場合には証人が2人いますから,まず裁判所から尋問する方がよいと思います。

 また,今回は鑑定人のお二人が,とても分かりやすい説明をしてくださいましたが,実際には議論がかみ合わない可能性もあると思います。たとえば,統合失調症であれば原則として心神喪失と考えるか(いわゆる不可知論),それとも症状と犯罪行為の関係を具体的に考えるか(いわゆる可知論),という大きく二つの考え方がありますが,これが違っている場合には,対質をしてもかみ合わないことが多いでしょう。共通の土台に立ってはじめて,考え方の違いが浮き彫りになるのではないか,などと感じました。

 明日,論告・弁論のあとに最終評議の予定ですので,有罪になるか無罪になるか,心して判決を待ちたいと思います。

(2007年2月27日追記 心神耗弱で,懲役5年の判決となりました。)

産経新聞の記事
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080226/trl0802262021014-n1.htm

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ニュース 新庄ひまわり基金法律事務所 新所長の滝沢さんが着任

 弁護士過疎の解消を目指す新庄ひまわり基金法律事務所の引継披露祝賀会が八日,新庄市のニューグランドホテルで開かれ,関係者約五十人が,新所長に今月就任したばかりの滝沢崇弁護士を激励した。

 今月8日,新庄ひまわり基金法律事務所の引継式に出席して来ました。

 滝沢さんは,大阪の法律事務所に勤務され,電話機リースの被害などに熱心に取り組んで来られたそうです。新庄に赴任されてからは,多重債務の相談が多く,中でも行方不明者の問題に心を痛めておられました。

 就任のあいさつで,「借金が支払えないために行方不明になってしまったという相談を何件も受けた。」と話しておられたのが印象的でした。それでも,最後には「新庄はとてもいいところです。」と笑っておられ,力強さと誠実さが感じられました。

 滝沢さんであれば,最上地方の住民の信頼を勝ち得ることができるだろうと思います。応援しています。がんばってください。

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ニュース 萩ひまわり基金法律事務所開設

 弁護士過疎地域とされる萩市・長門市・阿武町地域で3カ所目の法律事務所となる萩ひまわり基金法律事務所(萩市東田町)が6日、業務を始めた。日本弁護士連合会が弁護士過疎対策のために設けた「ひまわり基金」による開設で、県内では初めて。初代所長、小林亨弁護士(31)は「地域の方々が利用しやすい、愛される事 務所にしたい」と話す。

 少し前のニュースになりますが,2月6日,山口県萩市に萩ひまわり基金法律事務所が開設され,初代所長の小林亨さんが着任されました。山口地裁萩支部の管内人口は約10万5000人ですが,管内の法律事務所は,銀座に支店を出していることで有名な弁護士法人サリュと,萩・山口法律事務所の二つしかありませんでした。この度,萩ひまわり基金法律事務所が開設されたことで,弁護士1人当たり人口は3万5000人となり,弁護士過疎偏在の解消にまた一歩前進しました。

 萩市と隣接する島根県の西部には,石見ひまわり基金法律事務所(現・みやこ法律事務所),浜田ひまわり基金法律事務所(現・はまだ市民総合法律事務所),益田ひまわり基金法律事務所,石西ひまわり基金法律事務所と4つ(現在,稼働しているのは2つ)の公設事務所があります。また,本庁の山口市には法テラス山口法律事務所が,島根県浜田市には法テラス浜田法律事務所が開設されています。周囲の公設事務所,法テラスと力を合わせて,萩市民のためにがんばっていただきたいと思います。応援しています。

毎日新聞の記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080207-00000302-mailo-l35

中国新聞の記事
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200802050042.html

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関弁連主催 公設事務所バスツアー

 関東弁護士会連合会(関弁連)主催の「公設事務所バスツアー」のご案内です。

 関弁連は,関東の弁護士会から構成される連合会です。関東といっても,東京高等裁判所の管轄に対応しているため,新潟や長野,静岡も含まれます。関弁連管内には,茨城(鹿嶋,神栖),千葉(銚子),新潟(上越,中越,佐渡),静岡(下田)などにひまわり基金の法律事務所が設置されています。ひまわり基金法律事務所は,弁護士過疎偏在地域に設置される事務所で,公設事務所(過疎地型公設事務所)とも呼ばれています。

 このバスツアーは,毎年,関弁連主催で行っているもので,東京から日帰りで行ける千葉,茨城の3つの公設事務所(銚子,神栖,鹿嶋)を見学するものです。このブログでも以前にもお勧めしましたが,ひまわり・法テラスの実情を知るためには,実際に公設事務所を見学して,そこで働いている弁護士の話を聞くのがいちばんです。ぜひ,バスツアーに参加してください。お待ちしています。

 なお,参加の申込みは,関弁連に直接でもかまいませんし,分からなければ桜丘法律事務所の亀井までメール(makichu@estate.ocn.ne.jp)でご連絡ください。

日時 : 2008年3月25日(火) 午前8時50分~午後6時頃
主催 : 関東弁護士連合会
対象 : 司法修習生(61期,62期),弁護士
費用 : 司法修習生は無料,弁護士は昼食代のみ負担

見学コース : (※順番は検討中です)

午前8時50分 弁護士会館1階正面玄関集合
午前9時    霞が関出発
         水戸地方裁判所麻生支部訪問
         銚子ひまわり基金法律事務所見学
         昼食(銚子市内)
         鹿嶋ひまわり基金法律事務所見学
         神栖ひまわり基金法律事務所見学
午後6時頃  霞が関着 解散

申込方法 : FAX(03-3581-7107)又はメール(a-mori@kanto-ba.org)でお申し込みください。申し込みの際には,①件名は「ひまわり基金法律事務所バスツアー参加申込」,②氏名,③司法修習期(現行・新の別),④連絡先電話番号をお書き下さい。

申込締切 : 2008年3月14日(金)

問合せ : 東京都千代田区霞が関1-1-3 弁護士会館14階
関東弁護士連合会(担当事務局:森)
電話 : 03-3581-3838
FAX : 03-3581-7107
メール : a-mori@kanto-ba.org

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管理人近況 新庄ひまわりの引継式に出席して来ました。

 今月は出張続きです。2月8日に新庄ひまわり基金法律事務所の引継式に出席して来ました。新庄は山形県の北部,最上地方にあります。山形新幹線の終着駅です。山形新幹線の車窓から見る風景は,雪深い山々が印象的で,まるで水墨画のようでした。この日は肘折温泉の元河原湯に泊まり,翌日は宮城県に移動して鳴子温泉にも立ち寄りました。鳴子温泉は共同浴場の滝の湯に入りましたが,本当にいいお湯でした。温泉番付の東の横綱というだけのことはあります。今週はひまわり・法テラスの研修で,湯河原に行く予定です。

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ニュース 山鹿ひまわり基金法律事務所 二代目所長の岡部さんが着任

 1月30日,山鹿ひまわり基金法律事務所(熊本県山鹿市)の引継式が開かれました。

 山鹿市は,熊本県の北部,福岡県との県境に位置しています。管轄は熊本地裁山鹿支部で,人口は隣接する菊池市とあわせて13万人に達します。山鹿ひまわり基金法律事務所が開設されるまで,弁護士はいませんでした。熊本市まで約1時間の距離とはいえ,地域移住民にとっては,弁護士は縁遠いものだったに違いありません。

 現在は熊本市に本社のある弁護士法人リーガルプロが常駐の支店を開設しており,管内の弁護士は2名に増えています。ひまわり基金法律事務所と地元の弁護士法人が連携しながら山鹿市民のために取り組んでおられることは,理想的な関係といえるでしょう。

 初代所長の長谷山さんは,平成16年10月に赴任してから3年余りで600件以上の相談を受けられたそうです。多重債務はもちろん,生活保護の申請に同行するなど,採算の取れない事件に積極的に取り組んでこられました。長谷山さん自身は「難しい事件でも頼まれるとついつい受けてしまう。後任の岡部さんには申し訳ない。」 と謙遜しておられましたが,こうした地道な活動はもっと評価されてしかるべきでしょう。

 二代目所長に就任された岡部さんは,東京パブリック法律事務所のご出身です。修習地が熊本弁護士会だったために,山鹿に赴任することを強く希望されたそうです。困っている人のために働きたい,という熱い思いを持っておられます。記者会見では「一熊本県民,一山鹿市民として」とおっしゃっていましたが,そうした市民と同じ目線で物事を見ることを忘れなければ,必ずや山鹿市民の信頼を勝ち得ることだろうと思いました。

 いろいろ困難もあることと思いますが,がんばってください。応援しています。

Yamaga1

Yamaga2

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