コラム 裁判官の定員
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司法制度改革審議会意見書(2002年)は,「2004年に合格者数年間1500人,2010年ころには年間3000人達成を目指すべきである」「おおむね2018年ころまでには,実働法曹人口5万人規模に達することが見込まれる」として,法曹人口の大幅な増加を提言しました。法曹人口とは,「弁護士,裁判官,検察官人口」のことですから,法曹人口の増加という場合には,「裁判官,検察官人口の増加」も含まれることになります。
このことを踏まえ,意見書は,裁判官の定員についても「全体としての法曹人口の増加を図る中で、裁判官、検察官を大幅に増員すべきである」と提言していました。また,最高裁判所から提出されたペーパーでは「事件数がおおむね現状どおり推移するとしても,向こう10年程度の期間に500名程度の増員」が必要であり,「更に事件数が増加すれば,それに対応する増員」が必要であるとの試算が示されていました。
司法制度改革審議会意見書
http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/report/ikensyo/index.html
最高裁判所・裁判所の人的態勢の充実について
http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/dai57/pdfs/57bessi1.pdf
では,じっさいに裁判官の定員は増えているのでしょうか。
裁判官の定員は,2002年は45名,2003年は45名,2004年は52名と漸増し,近年は毎年75名(判事45名,判事補30名)の増員となっています。したがって,司法制度改革審議会意見書の提言した「10年間で500名+アルファ」のペースでは増えていることは間違いありません(裁判官の定員は、裁判所職員定員法で定められていますので、簡単に知ることができます。)。
最高裁判所・司法制度改革推進計画要綱
http://www.courts.go.jp/about/kaikaku/keikaku.html
法務省・裁判所職員定員法の一部を改正する法律案要綱
http://www.moj.go.jp/HOUAN/SAIBANSYO06/refer01.html
しかし,法曹人口が毎年3000人増加するのに,裁判官定員が75人しか増加しなくて十分なのでしょうか。
わが国の法曹人口は、1900年には弁護士1590人に対して、裁判官1244人でしたが、1950年には弁護士5883人に対して裁判官2261人となり、1997年では弁護士1万6305人に対して裁判官2841人となっています。約100年間で弁護士が10倍以上に増えているのに、裁判官はわずか2倍になったに過ぎません(金子=竹下『裁判法(第四版)』229頁)。
司法制度改革審議会意見書によれば、実働法曹人口は10年後の2018年ころまでに5万人に達し、弁護士人口は現在の2倍近くに増加することになりますが、裁判官人口は現在の1.5倍程度にとどまると予想されます。意見書の提言した「10年間で500人+アルファ」という数字自体が果たして十分な数であったかどうかが問われるべきではないでしょうか。
また、裁判官定員を増加させるためには、その供給源を考えなければなりません。意見書は裁判官の給源を多様化・多元化させることを提言していましたが、給源の中心として期待されていたのが弁護士任官です。日弁連も、これまで以上に弁護士任官の推進に取り組む必要があるのではないでしょうか。
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